目次
子どもの成長は限りない喜び、でも親なら誰しも抱える「教育費」の漠然とした不安
子育て中の皆さん、毎日本当にお疲れ様です。
我が家の息子たちも、長男が大学生、次男が社会人となり、子育ての大きな節目を迎えました。
息子が生まれた日のこと、小さな手で私の指を握ったこと、初めて立った日のこと…まるで昨日のことのように鮮明に思い出されます。
その一つ一つの成長は親として何よりの喜びであり、かけがえのない宝物です。
しかし、その喜びの裏側で、親なら誰しも一度は感じるのが
「この子の将来のためには、どれくらいのお金が必要になるんだろう?」
「みんな、どうやって教育費を準備しているんだろう?」
という、漠然とした不安ではないでしょうか。
私自身、長年保育士として多くの子どもたちと保護者の方々に関わり、現在は子育てアドバイザーとして活動しています。
そして何よりも、二人の息子を育ててきた「親」としてのリアルな経験があります。
子育て中は目の前の育児や仕事に必死で、将来のお金のことまでじっくり考える時間がない、という方も多いかもしれません。
ですが、子どもの教育費は決して無視できない大きなテーマです。
少しずつでも将来を見据えて準備を始めることは、親自身の精神的な安心感に繋がり、結果としてゆとりのある子育てにも繋がることを、私は経験から強く感じています。
この記事では、そんな子どもの教育費に関する漠然とした不安を解消できるよう、我が家が二人の息子を育ててきた中で実践した具体的な貯蓄と準備の全戦略、そして今だからこそ伝えたい親としての心構えと、多様な進路の受け止め方について、私の経験と専門家の視点を惜しみなく注ぎ込み、徹底的に解説していきます。
長文になりますが、きっと皆さんの教育費準備の一助となるはずです。
ステップ1
まずは現実を知る!教育費のリアルな目安と「大学資金」という最大の壁
「教育費って、結局いくらくらいかかるの?」この疑問から全てが始まります。
まずは、文部科学省のデータなどを基にした、幼稚園から大学卒業までにかかる教育費の一般的な目安を知っておきましょう。
この全体像を把握することが、具体的な計画を立てる第一歩です。
【幼稚園~高校まで】
公立と私立の大きな違い、そして「見えない費用」の存在
まずは、義務教育期間を含む、幼稚園から高校までの費用を見ていきましょう。
【公立の場合】
・約300万円~500万円
【内訳】
・幼稚園(年間約15万円~)、小学校(年間約30万円~)、中学校(年間約40万円~)、高校(年間約50万円~)といった目安です。
※給食費、学用品費、修学旅行積立金、PTA会費などが含まれます。
【私立の場合】
・約1,000万円~1,500万円以上
【内訳】幼稚園(年間約30万円~)、小学校(年間約100万円~)、中学校(年間約100万円~)、高校(年間約100万円~)が目安です。
※授業料、施設費、教育充実費など、公立よりも格段に高額になります。
この数字を見て、「私立は高い!」と感じる方が多いでしょう。
実際に、公立の約3倍以上の費用がかかることがわかります。
我が家の息子たちは二人とも私立高校に通いました。
一般的な私立高校の学費は決して安くありませんが、幸いなことに彼らは二人ともサッカー特待生だったため、学費は免除されていました。
これは本当に家計にとって大きな助けとなりました。
しかし、学費が免除されても、それだけで全てがまかなえるわけではありません。
私が強くお伝えしたいのは、「見えない費用」の存在です。
例えば、教材費、模擬試験代、塾や予備校の費用、部活動費、遠征費、合宿費、専門的な道具代、ユニフォーム代、交通費、さらには友人との交際費など、細々とした出費が想像以上に膨らみます。
特にサッカー部では、県大会上位を目標にしていたため、遠征費や合宿費で年間数万円がポンと飛んでいくことも珍しくありませんでした。
学費は免除されても、それ以外の「学校外活動費」はきちんと準備しておく必要があることを、身をもって実感しました。
【大学】進学先・居住形態による費用激変!選択肢を広げるための準備
次に、大学にかかる費用です。これは、お子さんの将来の選択肢に直結する部分であり、非常に大きなウェイトを占めます。
【国立大学】
・約250万円(4年間)
・入学金(約28万円)+授業料(年間約54万円)×4年
【私立大学(文系)】
・約400万円~500万円(4年間)
・入学金(約25万円)+授業料(年間約80万円)+施設設備費など
【私立大学(理系)】
・約550万円~700万円(4年間)
・入学金(約25万円)+授業料(年間約110万円)+施設設備費など
これに加えて、自宅から通学するのか、一人暮らし(下宿)をするのかによっても、費用は大きく変わってきます。
【自宅通学】
・通学費や昼食代などが主な追加費用。
【一人暮らし】
・家賃、光熱費、食費、生活雑費など、年間100万円以上が追加で必要になることも珍しくありません。
私の長男は、学業と部活動での実績が評価され、スポーツ推薦で大学に入学しました。
これは、特待生制度のように学費が全額免除されるわけではありませんでしたが、一般入試よりも学費面で優遇される制度を利用できたことは、我が家にとって大きな助けとなりました。
一方、次男は高校卒業後、そのまま就職し社会人として働いています。
彼には彼の夢があり、その夢に向かって早く社会に出て経験を積みたいという強い意志がありました。
このように、子どもの個性や選択肢によって、必要となる教育費のパターンは大きく変わります。
だからこそ、一つの道に固執せず、どのような進路を選んだとしても、親として柔軟に対応できるだけの準備が求められるのです。
教育費の合計額と「大学資金」という最大の壁を乗り越えるために
これら全ての教育費を合計すると、お子さんが一人、大学を卒業するまでには、最低でも1,000万円以上、場合によっては2,000万円~3,000万円もの教育費が必要になることもあります。「そんなに!?」と驚かれた方もいるかもしれませんね。
しかし、冷静に考えてみてください。
幼稚園から高校までは、毎月の生活費や習い事の費用と並行して、ある程度分散して支払うことが可能です。
本当に大きな壁となるのは、やはり大学進学時に必要となるまとまった資金です。
入学金や前期授業料など、数百万円単位のお金が一度に必要となるケースも少なくありません。
そのため、教育費を貯める上で最も意識すべきは、「大学資金をいかに計画的に準備するか」だと私は考えています。
次男のように大学に進学しない選択肢もありますが、それでも大学資金の準備を視野に入れておくことは、いざという時の選択肢を広げ、子どもの可能性を最大限に引き出すことに繋がるのです。
ステップ2
我が家が実践した「無理なく、賢く貯める」教育費戦略の全貌
「いつから教育費の貯蓄を始めるべき?」という質問をよく聞かれますが、私の答えは明確です。
「今から、できることから!」です。
迷っている時間があれば、今日から一歩踏み出すことが、将来の大きな安心に繋がります。早めに始めるほど、月々の負担は軽くなりますし、複利の効果も期待できます。
我が家でも、息子たちが幼い頃から、以下のような具体的な方法で教育費の準備を進めてきました。
1. 先取り貯蓄の徹底と「見える化」でモチベーション維持
教育費貯蓄の基本中の基本は「先取り貯蓄」です。
給料が入ったらまず、生活費とは別の「教育費専用口座」へ一定額を移すようにしていました。
これは「貯蓄は先取り」という家計管理の鉄則です。
手元に残ったお金で生活する習慣をつけることで、無理なく貯蓄が続けられます。
我が家では、いくつかの銀行口座を使い分けていました。
メインバンクの他に、給与振り込み後すぐに自動で一定額が積立預金口座に振り替わるように設定し、さらに別のネット銀行口座を「教育費口座」として設定していました。
このように口座を分けることで、「今いくら貯まっているか」が明確に分かり、目標達成に向けたモチベーションを維持しやすかったです。
貯蓄額が目に見えて増えていくのは、本当に嬉しいものですよ。
会社員の方であれば、会社の財形貯蓄制度があるなら、ぜひ活用をおすすめします。
給与天引きなので、意識することなく着実に貯められます。私も現役時代に利用し、知らないうちにまとまった資金が貯まっていたことに驚きと感謝の気持ちを覚えました。
2. 学資保険の活用
〜堅実な貯蓄と「もしも」の安心を両立〜
教育費準備の定番とも言えるのが「学資保険」です。
我が家も、息子たちが小さい頃から加入していました。
私自身、親として万が一のことがあった時に子どもに迷惑をかけたくないという思いが強く、保険の機能も兼ね備えている学資保険は魅力的に映りました。
【メリット】
・計画的に貯蓄ができる: 毎月決まった保険料を支払うことで、半ば強制的に貯蓄が進みます。貯蓄が苦手な方でも継続しやすいでしょう。
・保険料払込免除特約: 契約者(親)に万が一のことがあった場合、以後の保険料の払込が免除され、祝い金や満期保険金は予定通り受け取れます。これは、子育て中の親にとって何よりも大きな安心材料です。
・目的が明確: 「子どもの教育費」という明確な目的があるので、途中で使ってしまう誘惑に駆られにくいのもメリットです。
【デメリット】
・元本割れのリスク: 早期に解約すると、払い込んだ保険料の総額よりも受け取る金額が少なくなる「元本割れ」のリスクがあります。
・インフレに弱い: 固定金利なので、物価が上昇するインフレには弱い傾向があります。将来的に学費が上がった場合、受け取る金額の価値が目減りする可能性も考慮が必要です。
・流動性が低い: いざという時にすぐに引き出すことが難しい点も理解しておく必要があります。
加入する際は、返戻率(払い込んだ保険料の総額に対して、受け取れるお金の割合)や、祝い金・満期金を受け取る時期をしっかり確認しましょう。
我が家では、長男が大学入学時にまとまった資金が受け取れるタイプを選びました。
次男の分も加入していましたが、高校卒業後に就職することになったため、彼の将来のための貯蓄としてそのまま運用を継続しています。
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『ベビプラ』は、全国の保険プランナーのプラットフォームです。
プランナーによっては20社以上のの会社から、各家庭にぴったりの保険が見つかります。
まずは、相談されてみて下さい。
3. NISA(新NISA)での資産運用
〜現代の教育費準備に欠かせない「攻め」の貯蓄〜
学資保険でベースを固めつつ、私は「NISA(少額投資非課税制度)」も積極的に活用しました。
特につみたてNISA(現在の新NISAつみたて投資枠)は、少額から始められ、投資で得た利益が非課税になるお得な制度です。
長期間にわたる教育費準備には、貯蓄だけでなく「資産運用」の視点を取り入れることが非常に重要だと感じています。
【メリット】
・非課税で効率よく資産を増やせる可能性: 通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座ならそれが非課税になります。これは非常に大きなメリットで、税金分が再投資されることで、さらに効率よく資産が増えていきます。
・複利の効果: 運用益がさらに運用され、雪だるま式に資産が増えていく「複利の効果」を最大限に活用できます。時間が長ければ長いほど、その効果は大きくなります。子どもの成長期間という長い時間を味方につけることができます。
・積立投資ならリスク分散: 毎月定額を積み立てる「ドルコスト平均法」は、価格が高い時には少なく、安い時には多く買うことになるため、購入単価が平準化され、リスクを抑えられます。感情に左右されずに投資を続けやすい点もメリットです。
【デメリット】
・元本保証ではない: 投資なので、元本割れのリスクはゼロではありません。しかし、長期・積立・分散投資(例えば、全世界株式やS&P500などのインデックスファンド)を基本とすることで、そのリスクを低減させることが可能です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが成功の鍵です。
「投資は怖い」と感じる方もいるかもしれませんが、子どもの教育費のように長期で準備する資金には、投資が非常に有効です。
私も最初は不安でしたが、積立NISAで世界経済全体に投資するインデックスファンドを少額(例えば月5,000円や1万円から)から始めることで、無理なく資産形成を進めることができました。
私の長男が大学に入学する頃には、しっかりとその恩恵を受けることができましたよ。
次男の分も、彼の将来のための資産として引き続き運用しています。
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4. 固定費の見直しと「ポイ活」
〜日々の生活でできる地道な工夫が大きな力に〜
日々の生活で「無理なく」貯蓄を続けるためには、家計の見直しも欠かせません。
我が家では、定期的に以下のような固定費を見直していました。
一度見直せば継続的に効果があるので、ぜひ実践してみてください。
・通信費: 携帯電話の料金プランを見直したり、格安SIMに乗り換えたりするだけで、年間数万円の節約になることもあります。
・保険料: 不要な保障がないか、家族構成やライフステージに合わせて、定期的に見直すことが大切です。
・サブスクリプションサービス: 利用していない動画配信サービスやアプリの月額課金などは、こまめに解約しましょう。
また、日々の買い物ではポイント活動(ポイ活)も積極的に取り入れていました。
クレジットカードやスマホ決済のポイント還元を最大限に活用したり、アンケートサイトやレシートアプリでコツコツとポイントを貯めたり。
これらのポイントは、食費や日用品費に充てることで、その分を教育費に回すことができます。
小さなことですが、「チリも積もれば山となる」を実感しましたね。
例えば、年間数万円分のポイントを生活費に充てることで、その分を確実に教育費に回すことができ、精神的なゆとりにも繋がりました。
ステップ3
貯蓄だけじゃない!我が家が活用した教育費に関する準備と親の心構え
お金の準備と並行して、心の準備や情報収集も非常に大切です。
子育てアドバイザーとして、多くのご家庭と関わる中で感じるのは、親御さんの「安心感」が、子どもの成長にとっても非常に重要だということです。
1. 夫婦での教育費に関する話し合い
〜ビジョンを共有し、協力体制を築く〜
子どもの教育費は、夫婦二人の問題です。
どちらか一方に任せきりにするのではなく、
☑️「子どもにどんな教育を受けさせたいか」
☑️「そのためには、どのくらいの費用をかけられるか」
☑️「もし、希望する進路に進めなかったらどうするか」など・・・
夫婦で早めに教育方針や家計状況を共有し、具体的な計画を話し合うことが非常に重要です。
我が家でも、息子たちが高校生になる頃には、改めて将来の進路について話し合いの場を持ちました。
長男は大学進学を希望していたので、大学進学にはどれくらいの費用がかかりそうか、そのためにはあとどれくらい貯蓄が必要か、といった具体的な数字を共有することで、夫婦ともに「自分事」として教育費について考えることができました。
次男の就職という選択も、彼が高校生の頃から漠然と意識していたため、夫婦で彼の意思を尊重し、社会人として自立するための準備をサポートすることにシフトできました。
お互いの価値観や考え方を理解し、協力体制を築くことが、教育費準備を成功させるカギです。夫婦で目標を共有し、協力し合うことで、どんな困難も乗り越えられると信じています。
2. 公的制度の活用も視野に
〜我が家も「貯蓄+奨学金」で無理なく進学をサポート〜
貯蓄や資産運用だけでなく、公的な制度を賢く活用することも、教育費の負担を軽減する上で非常に有効です。私も長男が大学進学する際に、改めて奨学金制度について詳しく調べました。
我が家の場合、学資保険やNISAで準備していた教育費に加えて、長男が大学在学中に奨学金制度を利用することにしました。
これは、全てを貯蓄だけで賄うのではなく、公的な制度も賢く活用することで、家計の負担を軽減し、より無理なく教育費を捻出するための選択でした。
【奨学金】
・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、返済不要の「給付型」と、返済が必要な「貸与型」があります。
世帯の収入や学力などの基準がありますが、いざという時の選択肢として知っておくと安心です。
貸与型であっても、無利子や低金利で借りられるものが多く、大学卒業後に本人に返済してもらうことで、親の負担を軽減できます。
実際に利用してみると、手続きは意外とシンプルで、返済計画も無理のない範囲で立てられるため、非常に心強い制度だと感じました。
奨学金を利用することに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は「これも教育費を捻出する一つの賢い方法だ」と考えています。
子ども自身が将来の教育費の一部を負担することで、学びへの意識も高まります。
【教育ローン】
・国の教育ローン(日本政策金融公庫)や、民間の金融機関が提供する教育ローンがあります。
奨学金と異なり、親が借りて返済するのが一般的です。奨学金と組み合わせて利用するなど、柔軟な選択肢として検討する価値があります。
また、お住まいの自治体独自の補助金や助成金がある場合もあります。
例えば、私立高校の授業料補助や、給付型の奨学金など、各自治体で様々な支援策が用意されています。
インターネットで「〇〇市(お住まいの自治体名) 教育費 補助金」などと検索してみることを強くおすすめします。
知っていると知らないとでは、大きな差が生まれることもありますよ。情報収集は、今や「貯蓄」と同じくらい重要な「資産」だと言えるでしょう。
3. 子どもへの金融教育
〜お金を通じて「生きる力」を育む、親から子へ受け継ぐ大切な教え〜
お金を貯めるだけでなく、子ども自身がお金の大切さや使い方を学ぶ機会も大切です。
これは、元保育士として、そして子育てアドバイザーとして最も強くお伝えしたいことです。お金の知識は、生きていく上で不可欠な「生きる力」だからです。
・お小遣いを通して学ぶ: 定期的にお小遣いを渡し、その中で「何に使うか」「どうすれば足りるか」「欲しいものを買うために貯める」といったことを自分で考えさせることは、将来にわたる金銭感覚や計画性を育む上で非常に有効です。
我が家でも、息子たちがお小遣い帳をつけたり、ゲームソフトや漫画を買うためにコツコツと貯金をしたりする中で、お金の価値や「使う喜び」「貯める楽しみ」を学んでいきました。
・親子でお金のことを話す: 親がお金のことで悩んでいる姿を隠さずに、家庭の状況を子どもに伝え、一緒に家計について話し合うことも、良い金融教育になります。
例えば、「今月は電気代がちょっと高かったから、家族みんなで節電を頑張ろうね」といった会話も、子どもにとっては立派な学びです。
家族一丸となって家計と向き合う姿勢は、子どもの金銭感覚を豊かにします。
・働くことの尊さを伝える: お金は労働の対価として得られるものであること、そして、働くことの喜びや社会貢献の意義を伝えることも重要です。
次男が社会人として働き始めたことで、彼はより一層、お金を稼ぐことの難しさや、自分の力で生活を築くことの尊さを実感しているようです。
長男も奨学金を利用したことで、自分自身のお金に対する責任感が芽生え、将来の返済計画を真剣に考えるようになりました。
お金の知識だけでなく、「稼ぐこと」「使うこと」「増やすこと」「守ること」の全てを、実体験を通して伝えていくことが、親としての役割だと感じています。
4. 緊急時の備え
〜もしもの時のセーフティネットも忘れずに、心のゆとりを確保する〜
教育費とは別に、もしもの時の備えも忘れてはなりません。人生には予測できない出来事がつきものです。親に何かあった場合、収入が途絶えたり、予期せぬ医療費がかかったりすると、せっかく貯めた教育費どころではなくなってしまいます。
・医療保険・生命保険: 万が一の病気や事故に備えて、家族構成やライフスタイルに合った適切な保険に加入しているか、定期的に見直しましょう。
特に子育て世代は、働き手の保障内容を充実させておくことを強くおすすめします。
いざという時に、子どもたちの教育資金が途絶えることのないよう、セーフティネットを張っておくことは非常に重要です。
・予備資金(生活防衛資金): 給料の3ヶ月~6ヶ月分程度の生活費を、すぐに引き出せる普通預金や、すぐに換金できる形で置いておくことも大切です。
失業、病気、災害など、予測できない出費はつきものですから、この備えは心のゆとりにも繋がり、安心して教育費の準備に集中できる基盤となります。
〜焦らず、できることから。未来への投資は「今日」から始まる!〜
子どもの教育費は、親にとって大きなテーマであり、不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、これまでお伝えしてきたように、焦る必要は全くありません。大切なのは、「今、できることから始める」ことです。
私も、最初から完璧な計画があったわけではありません。
息子たちの成長に合わせて、そして彼らの個性や選択肢に合わせて、少しずつ学び、試行錯誤しながら、我が家に合った方法を見つけていきました。
学費免除の特待生制度、スポーツ推薦、そして貯蓄と組み合わせた奨学金の利用など、様々な制度や選択肢を組み合わせることで、子どもたちの多様な進路をサポートできることを実感しました。
元男性保育士として、多くの子どもたちの成長を見守ってきた私だからこそ言えるのは、子どもたちは親が思っている以上に、日々の生活の中で多くのことを感じ取り、学び取っているということです。
親が安心して、前向きに準備を進める姿は、きっと子どもたちにも良い影響を与え、彼ら自身の金銭感覚や自立心を育む上でも大切な土台となります。
完璧を目指すのではなく、まずは「先取り貯蓄」を始めてみる、学資保険の資料を取り寄せてみる、NISAについて調べてみる、プロに相談としてみるといった小さな一歩を踏み出してみませんか?
その一歩一歩が、お子さんの輝く未来を築くための、大切な「投資」に繋がります。
一人で抱え込まず、情報収集したり、夫婦で協力したりしながら、一緒に頑張りましょう。子育ては「育自」でもあります。
皆さんが子育てを楽しみながら、未来への準備を進めていけるよう、私も子育てアドバイザーとして、これからも皆さんの役に立つ情報を発信し続けていきます。