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「また怒りすぎてしまった

子どもの寝顔を見ながら、今日の自分の言葉を思い出して後悔することはありませんか?

本当は優しくしたかったのに、時間に追われ、何度言っても動いてくれない子どもにイライラしてしまう。つい大きな声を出したあとで、「自分はダメな親なのでは」と落ち込んでしまう。

でも、怒ってしまったからといって、親子の信頼関係がすべて壊れるわけではありません。大切なのは、怒らない完璧な親になることではなく、怒ったあとに子どもとどう向き合うかです。

保育士として22年間、多くの子どもや保護者と関わってきた経験から、親子関係を立て直すための言葉と、同じことを繰り返さないための工夫を紹介します。

怒りすぎてしまうのは、頑張っているから

親がイライラする背景には、朝の支度、仕事、家事、繰り返す注意、子どもの将来への心配など、さまざまな負担があります。

子どもを大切に思っているからこそ、「きちんとしてほしい」「困らないように育ってほしい」という気持ちが強くなることもあります。しかし、親の心と体に余裕がなくなると、ほんの小さな出来事でも感情があふれてしまいます。

まずは怒ってしまった自分を責め続けるのではなく、「今日は余裕がなかったんだな」「私も疲れていたんだな」と、自分の状態にも目を向けてみてください。反省することと、自分を傷つけることは違います。

怒ったあとの対応が大切な理由

子どもは、親が怒った理由を正確に理解できるとは限りません。「片づけなかったことを注意された」のではなく、「自分は嫌われた」「自分は悪い子なんだ」と受け取ってしまうことがあります。

だからこそ、親の気持ちが落ち着いたあとに言葉を補い、何がよくなかったのか、次はどうすればよいのかを一緒に整理することが大切です。怒ったあとの対話は、子どもに安心を取り戻してもらう時間でもあります。

怒ったあとに伝えたい5つの言葉

1.「さっきは大きな声を出してごめんね」

親が謝ると威厳がなくなる、と思う必要はありません。大人が素直に謝る姿を見ることで、子どもも「間違えたときは謝っていい」「失敗してもやり直せる」と学びます。

「でも、あなたが言うことを聞かなかったから」と続けると、謝罪が責める言葉に変わってしまいます。まずは「大きな声を出したこと」について、短くまっすぐに伝えましょう。

2.「あなたのことが嫌いで怒ったんじゃないよ」

子どもは、注意された行動だけでなく、自分自身を否定されたように感じることがあります。「あなたが嫌いなのではない」と伝えることで、子どもは安心できます。

「片づけなかったことは困ったけれど、あなたのことは大切だよ」のように、直してほしい行動と子どもの存在そのものを分けて伝えることが大切です。

3.「本当は、こうしてほしかったんだ」

「どうしてできないの!」だけでは、子どもは次に何をすればよいのか分からないことがあります。

「おもちゃを箱に入れてほしかった」「道路では手をつないでほしかった」「ゲームを終えたら返事をしてほしかった」など、してほしい行動を具体的に伝えてみましょう。

一度にたくさん伝えず、一番大切なことを一つに絞ると、子どもも理解しやすくなります。

4.「どんな気持ちだった?」

親の気持ちを伝えたあとは、子どもの気持ちも聞いてみます。すぐに答えられなくても大丈夫です。「嫌だった」「まだ遊びたかった」「うまく言えなかった」など、子どもなりの理由があるかもしれません。

話してくれたときは、すぐに正そうとせず、まず「そうだったんだね」と受け止めましょう。気持ちを認めることは、何でも許すことではありません。気持ちを受け止めたうえで、守るべき約束を伝えればよいのです。

5.「もう一度、一緒にやってみよう」

失敗した場面を、親子でやり直す機会に変える言葉です。

片づけられなかったら一つだけ一緒に片づける。朝の支度が進まなかったら、次の日の準備を一緒に考える。強い言葉を言ってしまったら、気持ちを伝え直す方法を一緒に考える。

叱って終わるのではなく、「次はどうするか」まで一緒に考えることで、子どもは具体的な行動を少しずつ身につけていきます。

子どもの年齢に合わせた伝え方

2〜3歳ごろ

長い説明はまだ理解しにくいため

▪️「大きな声でごめんね」

▪️「痛いことはしないよ」

▪️「一緒にやろうね」

など、短い言葉で伝えます。落ち着いているようなら、抱っこや手をつなぐなど、安心できる関わりも大切です。

4〜6歳ごろ

気持ちと言葉が少しずつ結びつく時期です。

▪️「悔しかった?」

▪️「まだ遊びたかった?」

と選びやすい言葉を示すと、自分の気持ちを話しやすくなります。

そのあとで、次にどうするかを一つだけ決めましょう。

小学生ごろ

すぐに話したくない子もいます。

「落ち着いたら話そう」と少し時間を置くことも必要です。

親の考えを押しつけるだけでなく、子どもの言い分を聞き、一緒に解決方法を考えていきましょう。

逆効果になりやすい3つの対応

何度も蒸し返す

話し合いが終わったあとも繰り返し責められると、子どもは「どうせ許してもらえない」と感じます。

必要なことを伝えたら、次の行動へ切り替えましょう。

人格を否定する

「悪い子」「いつもダメ」といった言葉ではなく、「物を投げるのは危ない」のように、問題となった行動を具体的に伝えます。

すぐに答えや謝罪を求める

子どもも興奮していると、話を聞いたり自分の気持ちを言葉にしたりできません。親子ともに落ち着いてから話すほうが、伝えたいことが届きやすくなります。

また怒りそうになったときの小さな工夫

イライラを完全になくすのは難しいものです。

次のうち、できそうなことを一つだけ試してみてください。

その場を数秒離れる、水を一口飲む、注意する言葉を一つに絞る、「今、自分は疲れている」と心の中で確認する、急がなくてもよいことはいったん後回しにする。

たった数秒でも、感情の勢いを弱められることがあります。

朝に怒りやすいなら前夜に服を用意する、夕方に余裕がなくなるなら簡単な献立の日を決めておくなど、怒らない努力だけでなく、怒りやすくなる負担そのものを減らす工夫も効果的です。

親にも休息が必要です。料理を簡単にする日があっても、家事を後回しにする日があっても大丈夫です。

よくある質問

子どもが謝罪を受け入れてくれないときは?

すぐに「いいよ」と言えないこともあります。「まだ嫌な気持ちなんだね。落ち着いたら話そう」と伝え、返事を強要せずに待ちましょう。謝ることと、すぐに許してもらうことは別です。

何度も同じことで怒ってしまいます

子どもへの言い方だけでなく、時間、環境、やることの多さを見直してみましょう。指示を一つにする、見える場所に準備を置く、予定に余白をつくるなど、仕組みを変えることで親子の衝突が減る場合があります。

親が謝りすぎても大丈夫ですか?

必要なときに謝ることは大切ですが、自分を責め続ける必要はありません。「大きな声を出したこと」を謝り、「危ない行動は止める」という大切なルールは、落ち着いて伝え直しましょう。

親子関係は、何度でもつくり直せる

子育てをしていれば、感情的になる日もあります。大切なのは、失敗しないことではありません。謝り、気持ちを聞き、もう一度向き合うことです。その積み重ねが、親子の信頼につながります。

今日怒りすぎてしまったとしても、今からできることがあります。まずは子どものそばに行き、「さっきはごめんね」と伝えてみませんか?

そして、親であるあなた自身にも「今日もよく頑張った」と声をかけてあげてください。一人で抱え込まなくて大丈夫です。

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齊藤正和(るう先生)
保育士歴22年/子育てアドバイザー/二児の父

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