こんにちは、元保育士で現在は子育てブロガーの「るー先生」です。
「うちの子、一人でばかり遊んでいるけど大丈夫?」と心配されているママ・パパへ。今回は、保育現場での豊富な経験と、子育てアドバイザーとしての専門的な視点から、安心できるヒントと具体的なアプローチ方法を、たっぷりと、そしてじっくりお伝えします。
もしかして、あなたもこんな不安を抱えていませんか?
- 「幼稚園や保育園に通っているのに、友だちと遊ばない」
- 「公園に連れて行っても、他の子に近づこうとしない」
- 「ずっと一人でブロックやお絵かきばかり…」
- 「もしかして、発達に何か問題があるのでは?」
実は、このようなお悩みは決して珍しいことではありません。
私が保育士として現場にいた頃も、「先生、うちの子ずっと一人で遊んでるんですけど大丈夫でしょうか?」と、多くの保護者から相談を受けてきました。
でも、結論からお伝えします。
一人遊びは、決して問題行動ではありません。
むしろ、子どもの成長に欠かせない、とても大切な時間なのです。
目次
一人遊びが子どもの成長にもたらす
【5つの大きな価値】

集団で遊ぶことばかりが「良いこと」と捉えられがちですが、一人遊びには、その時期だからこそ育つ特別な力が隠されています。
子どもたちが一人で黙々と何かをすることに、どのような価値があるのかを一緒に見ていきましょう。
①想像力・創造力の土台を育む時間
誰にも邪魔されず、自分の頭の中にある世界を自由に表現できるのが一人遊びの最大の魅力です。
おままごとで架空の家族と会話したり、ブロックで未来の街を作ったり。
そこには正解も不正解もなく、子どもは無限の創造性を羽ばたかせることができます。
この「自由に生み出す力」は、将来の表現力や企画力へとつながる大切な土台です。単にモノを作るだけでなく、自分だけの物語やルールを生み出す過程で、物事を多角的に捉える柔軟な思考力も養われます。
②驚くほどの集中力を身につける
好きなことに没頭しているとき、子どもは周りの音も気にならないほど集中します。
この「ゾーン」に入っている状態こそ、集中力を育む最高のトレーニングです。
自分のペースで、納得いくまでじっくりと遊びと向き合うことで、ひとつのことに深く取り組む力が養われます。これは、小学校に入ってからの学習にも大いに役立つ力となります。この集中力は、「自分で遊びを始め、自分で遊びを終える」という自己完結の経験によって、さらに強化されます。
③「自分で考える力」「問題解決力」を育てる
お友だちと遊んでいるときは、誰かが遊び方を教えてくれたり、助けてくれたりすることがあります。
しかし、一人遊びのときはそうはいきません。
「このブロック、どうすればうまくつながるかな?」「どうしたら砂が固まるかな?」といった問いに、自分で考えて工夫し、試行錯誤を繰り返すことで、自然と問題解決の力が身につきます。
これは、大人になったときに直面する様々な課題にも、臆することなく立ち向かうための貴重な経験となります。
④「心を整える」大切なリセット時間
幼稚園や保育園、小学校では、多くの子どもたちと常に一緒です。
楽しさだけでなく、時にはケンカや先生に叱られるといったストレスを抱えることもあります。
一人で静かに遊ぶ時間は、そうした日々の刺激から離れ、心を落ち着かせ、感情を整理する大切な時間です。
大人が読書や瞑想で心を整えるように、子どもたちは一人遊びで心をリセットしているのです。
この時間は、心のエネルギーを充電する、非常に重要な自己調整の機会と言えます。
⑤「自立心」を育む第一歩
一人で遊ぶことは、自分の好きなことを見つけ、自分で遊び方を決め、自分で完結させるという、まさに自立の練習です。
誰かに頼るのではなく、「自分」という個を確立していくための重要なステップ。
この時期に一人遊びを存分に楽しむことで、「自分は楽しいことを自分で見つけられる」という自己肯定感が育まれます。
【年齢別】
一人遊びの傾向と見守り方のポイントを徹底解説

子どもの発達には個人差がありますが、大まかな目安として、年齢ごとの特徴を知っておくことで、より安心して見守ることができます。
3〜4歳(年少〜年中)
この時期は、まだ「友だちと一緒に遊ぶ」というより、“並行遊び”が主流です。
同じ部屋や空間にいても、それぞれが自分の遊びに夢中になっている状態ですね。
大丈夫なサイン
- 一人でおままごとやお人形遊びに夢中になっている
- 友だちの近くにはいるものの、それぞれの遊びを楽しんでいる
- 「◯◯ちゃんと遊びたい」と口では言っても、実際には別々の遊びを続けている
こんなときは専門家に相談も
- 極端に言葉が出ない、視線が合わないなどの様子が目立つ
- 特定のモノへの強いこだわりがあり、他の遊びに一切興味を示さない
- 極端に大きな音や触感などを嫌がるなど、感覚的な過敏さが見られる
- 上記のようなサインは、発達の個性の一つであることも多いですが、心配な場合は、安心材料として専門家の意見を仰ぐのも一つの方法です。地域の児童発達支援センターなどに相談してみるのも良いでしょう。
5〜6歳(年中後半〜年長)
この時期になると、少しずつ「一緒に遊ぶ」「ルールを守る」ことができるようになります。
しかし、まだまだ一人遊びも重要な時期です。
大丈夫なサイン
- 一人遊びと集団遊びを行ったり来たりしている
- 特定の仲の良い友だちとだけ遊ぶ傾向が出てくる
- グループ遊びに参加しているときも、時々一人で遊ぶ時間を見つけている
こんなときは見守り方を工夫
- 集団の中で極端に孤立しているように見える
- 遊びに誘われても、無反応、逃げる、泣く、怒るなど、極端な反応が出る
- 特定の友だちとのトラブルが頻発し、本人が困っている様子が見られる
- こうした場合は、まずは子どもの気持ちを丁寧に聞いてあげることが大切です。
本人の「どうしてそうなったの?」という気持ちに寄り添い、共感を示すことが第一歩です。
7〜8歳(小1〜小2)
小学校生活が始まり、友だちとの関わりが一気に増えますが、一人の時間を大切にする子もまだまだたくさんいます。
大丈夫なサイン
- 家では一人遊びが好きでも、学校で友だちと軽く話せていれば心配なし
- 友だちと遊ぶけど、無理に群れず、自分のペースでいる
こんなときは専門機関への相談も視野に
- 友だちとのトラブルが頻発し、本人が「もう学校に行きたくない」と感じている
- 孤立していることを本人がつらいと感じ、「自分はダメだ」と自己否定的な言葉が多く聞かれる
- 学校生活で極端な不適応が見られ、教員も対応に苦慮している
- 本人が心に大きな負担を感じている場合は、スクールカウンセラーや児童相談所などの専門機関に相談することが、早期解決の鍵となります。
無理やり集団遊びに誘うのは絶対にNG!
てぃ先生も同意見!

親として「なんとかしてあげたい!」と思う気持ちは自然なことです。
しかし、よかれと思ってする行動が、かえって子どもの心を傷つけたり、自立心を阻害したりすることもあります。
特に注意してほしいのが、「無理に他の子と遊ばせようとすること」です。
これは、多くの保育士が口を揃えて言うことで、YouTubeやSNSで大人気のてぃ先生も同じことを言っていました。
プロの保育士が共通して大切にしている考え方なのです。
【事例】一人遊びから集団遊びに発展する理想的なケース
子どもが一人で砂遊びに没頭している姿を想像してみてください。
黙々と山を作ったり、トンネルを掘ったり…。このとき、親が「〇〇くんも一緒に遊ぼう!」「〇〇君と一緒に遊んだら?」と無理に声をかけたらどうなるでしょうか。
せっかくの集中が途切れてしまい、子どもは「自分のやりたいことを邪魔された」と感じてしまうかもしれません。
しかし、親が温かく見守ることで、その楽しそうな姿に周りの子どもたちが自然と興味を示し、「ねえ、何してるの?」と話しかけてくることがあります。
子どもが一人で始めた砂遊びが、いつの間にか「みんなで大きな山を作ろう!」という集団遊びへと発展する。
これは、子どもが「自分のやりたいこと」を軸に、自然な形で人との関わりを広げていく、理想的なプロセスです。
無理に集団遊びの輪に入れるのではなく、まずは子どもの「好き」を尊重して見守ること。それが、結果的に子ども自身の力で友だちとの繋がりを築くことにつながります。
家庭でできる【さりげない】サポート5選

無理に友だちと遊ばせるのではなく、「関わり方の幅を広げる」ようなサポートが効果的です。
①興味の幅を広げる遊びに誘う
室内遊びが好きなら、たまには公園へ。
砂場や遊具、虫取りなど、新しい世界に触れることで、遊びの質や、他者との自然な関わり方も変わってきます。
図鑑や絵本を通じて好奇心を刺激するのも良いでしょう。
②まずは大人が最高の遊び相手になる
まずはママ・パパが遊び相手になり、会話のキャッチボールを体験させてあげましょう。
トランプやボードゲーム、キャッチボールなど、ルールのある遊びを通して「人と関わる楽しさ」を身近な場所で学ぶことができます。
③少人数の関わりからスタートする
いきなり多くの友だちの輪に入るのが苦手な子もいます。
まずは兄弟や親戚、近所の仲良しの親子など、1〜2人と関わる機会を大切にしましょう。
相手が年下や年上でも構いません。安心できる環境で関わる経験を積み重ねていくことが大切です。
④習い事や自然な集まりに参加してみる
子どもが興味を持っている分野の習い事や、公園あそびのサークルなどに参加してみるのも良いでしょう。
共通の興味がある子どもが集まる場なら、自然と会話が生まれやすくなります。ただし、あくまで「本人がやりたい」と思う習い事を選ぶのが大前提です。
⑤子どもの個性を【心から】認める声かけを
「一人遊びできるって、すごい集中力だね」「じっくり考えられるのは、あなたの素敵なところだね」など、一人でいる時間を楽しんでいる姿を心から認める言葉をかけてあげましょう。
大切なのは、周りの評価ではなく、子どもの内面にある強さや個性を認めることです。
よくある質問Q&A

ここからは、一人遊びについてママ・パパからよく聞かれる質問にお答えします。
Q1. 一人遊びばかりだと、将来“引きこもり”になりませんか?
一人で過ごす時間を楽しめることは、「自立心」や「心の安定」がある証拠です。
一人遊びが将来の引きこもりにつながるというよりも、人との関わりに極端な恐怖心やストレスを感じる、自己肯定感が低い、といった心理的な要因が重なったときに起こりやすくなります。
大切なのは、「その子が今、楽しく過ごせているか」です。
Q2. 親が友だちを紹介してあげるのはアリ?
ただし、「仲良くしなさい」と強制するのではなく、「一緒に遊ぶ時間ある環境を提供している」というスタンスが大切です。
たとえば、「今日はお友だちの◯◯くんが遊びに来るよ。一緒にプラレールで遊んでみない?」と誘ってみる。
遊びが盛り上がらなくても、それは失敗ではありません。
また次の機会に、と気楽に捉えましょう。
Q3. 一人っ子なので、一人遊びが多いのが心配です
兄弟がいない=社交性が育たない、とは限りません。
むしろ、一人で遊びを完結させる力や、豊かな想像力は一人っ子ならではの強みです。
親子の時間を大切にしつつ、少人数の集まりや習い事などを通して、無理なく他者との関わりを経験させてあげれば十分です。
集中力を育むおもちゃ紹介
1〜3歳おすすめブロック
アンパンマン はじめてのブロックバケツ
・子どもたちの大人気な「アンパンマン」がブロックになっています。ブロックも大きく1歳6ヶ月から遊べるブロックです。
ころがスィッチ
・遊ぶだけで空間を捉える力を芽生えさせてくれます。
このおもちゃはボールが通る道を立体的に組み立てる玩具です。
※わかりやすく言えばピタゴラスイッチの様なものを作るおもちゃです。
ソフト積み木
・いろんな形を自分で考えて組み合わせお家や車などの形にするので、集中力や想像力が養われます。また柔らかい素材を使用していますので、子どもが投げても安心です。
まとめ『一人遊びは【自立】への第一歩』
「一人遊び=問題」と思われがちですが、それは大きな誤解です。
むしろ、自分の世界を持ち、集中して物事に向き合う力は、お子さんの将来にとってかけがえのない宝物になります。
もちろん、集団に溶け込むのが極端に苦手だったり、自己否定感が強かったりする場合は、園や学校の先生、スクールカウンセラーといった専門家に相談することも大切です。
しかし、まずは今のわが子の姿をそのまま受け止めてあげることが、何よりの安心材料になります。
そして、一人で遊んでいても「楽しいそうに遊んでいるね」というメッセージを、日々の声かけや態度で伝えてあげてください。
あなたの「見守る力」こそが、子どもの自信と明るい未来につながっていくのです。