こんにちは。元保育士で、今は子育てアドバイザーをしている「るう先生」です。
「ご飯だよ!」と声をかけても、なかなか席についてくれない。ようやく座ったと思ったら、一口食べては立ち上がり、おもちゃに気を取られる。気づけばもう1時間、ご飯は冷めて、私の心も冷めていく…。
そんな経験、私にもあります。
保育士として多くの子どもたちと向き合い、専門家として知識を学んでも、いざ自分の子育てとなると、頭ではわかっていてもどしたらいいかな?と悩んだ時期もありました。
特に、食事中の離席や、ダラダラ食べの悩みは、本当に多くのママ・パパが抱えている、共通の「あるある」です。
今日は、専門家の視点と、一人の親としての実体験から見つけた、3つの「魔法」をお伝えします。
目次
なぜ子どもは食事中に離席するの?

解決策を知る前に、まずは子どもの行動の理由を理解することが大切です。
無理に押さえつけるのではなく、子どもの気持ちに寄り添うことで、より効果的な対策が見えてきます。
- 集中力が短い
大人の集中力は平均20〜30分と言われますが、子どものそれはもっと短いものです。特に、よちよち歩きの子どもは、周囲の世界すべてが遊びの対象。
食事という一つの行動に長時間集中することは、非常に難しいです。 - 満腹中枢が未発達
子どもは少し食べただけで「お腹いっぱい!」と感じてしまうことがあります。
これは、まだ満腹中枢が十分に発達していないため。
大人から見れば「全然食べてないじゃない!」と思うかもしれませんが、子どもにとっては本当に満腹なようです。
無理に食べさせようとすると、食事自体が嫌いになってしまう可能性があるので注意が必要です。 - 「遊びたい」という気持ちが優先
食事よりも、楽しい遊びに気持ちが向いてしまうのは自然なことです。
特に、食事を「しなければならないこと」と感じている場合、子どもはより一層、遊びたくなってしまいます。
食事を「楽しい時間」に変える魔法『私の実践例』
食事を「楽しい時間」に変えることが、子どもが自ら席についてくれる一番の近道です。
私自身、息子がまだよちよち歩きの頃から、この考え方を大切にしてきました。
息子がまだ幼く、歩行器を使っていた頃の話です。
食事の時間は歩行器のロックをかけ、「ご飯が終わったら、自由に遊ぼうね」と伝えました。
そして、食べ終わったらすぐにロックを外し「ご飯食べ終わったね!すごい!遊ぼうか!」と、ご褒美のように自由な時間を与えました。
食事中ただ座らせるだけでに重点を行わず、「食事は楽しい」と思えるような言葉がけを心がけました。
- 「ご飯おいしいね」
- 「大きな口で食べてすごいね!」
- 「たくさん食べてるから、アンパンマンみたいになれるね」など・・・
このように、食事そのものや、食べる行動をたくさん褒めることで、子どもは「食事は褒められる楽しい時間なんだ」と認識するようになります。
その結果、歩行器を使わなくなってからも、息子は自然と席について食事をする習慣が身につきました。
「食事の時間は動かない・遊ばない」という習慣づけも大切ですが、それは決して食事を「我慢する時間」にすることではありません。
「食事の時間は楽しい、美味しい、褒めてもらえる」というポジティブな経験を積み重ねていくことが、離席をなくす一番の近道と感じました。
今日からできる!食事の時間を楽しくする3つの魔法

私の実体験のように、まずは「食事は座ってする」という習慣の土台をポジティブな声かけで作ることが大切です。
その上で、次の3つの魔法を試してみてください。
1. 環境を整える魔法
まずは、気が散るものを物理的に遠ざけましょう。テレビを消す、おもちゃを片付けるなど、食事の場所を「食事専用の空間」にすることが第一歩です。
また、お子さんが「自分のための特別なご飯だ!」と感じるような工夫も効果的です。
- お子さんと一緒に食器を選ぶ
好きなキャラクターの食器や、カラフルなカトラリーを選ぶことで、食事への興味が湧いてきます。 - ルーティンを作る
「いただきます」「ごちそうさま」を家族みんなで言う、など簡単なルールを決めることで、子どもは食事への気持ちをスムーズに切り替えることができます。
2. 量より質でOK!短時間で完食する魔法
子どもが食事に集中できる時間は限られています。すべてを完食させることにこだわりすぎず、子どものペースに寄り添うことが大切です。
- 時間を決める
「ご飯は20分で終わりね」と事前に伝えておきましょう。時間が来たら「ごちそうさま」というルールにすることで、ダラダラ食べを防ぐことができます。 - 食べやすい工夫をする
子どもが「食べたい!」と思えるような、好きなメニューを一つは入れる。また、一口サイズに切るなど、食べやすさを工夫するだけで、子どもの「食べたい」気持ちを後押しできます。 - 無理強いしない
苦手なものは無理して食べさせないことが重要です。苦手なものは、ご飯に混ぜて苦手な食材が見えないように食べさたりする工夫したり、嫌がる場合は、好きなものだけでも一定量を食べるようにしましょう
3. 「できた!」をたくさん褒める魔法
子どもは、褒められることで自信がつき、積極的に行動するようになります。食事中、少しでも椅子に座っていられたり、一口食べることができたら、すぐに褒めてあげましょう。
- 小さな「できた」を拾う
「一口食べたね」「今日はピーマンに挑戦したね」など、小さな成功体験をたくさん見つけて褒めてあげましょう。 - ポジティブな言葉がけを心がける
「早く食べなさい」「また立ってる!」といった否定的な言葉は、子どもを委縮させてしまう原因になります。「あと一口がんばってみようか」「これ、おいしいね」といった前向きな言葉を選んでみてください。
食事を食べる工夫「アイデアで楽しい食事に・・・」
食事の時間を、子どもにとって「我慢」ではなく「楽しい」に変えるには、ちょっとしたアイデアと遊び心が大切です。
1. 食材でアート!「食べるのがもったいない」ご飯に
- キャラクターご飯
子どもの好きなキャラクターをモチーフに、ご飯やおかずを盛り付けてみましょう。海苔やチーズ、ケチャップなどを使えば、手軽にアンパンマンや動物の顔を作ることができます。 - お弁当
子どもたちはお弁当は特別感があり、お弁当にすることで喜んで食べてくれるます。
環境もリビングやベランダにシートをひいて食べる環境を変えるだけでも食事がより一層楽しい時間に早替わりします
2. 食事を「ゲーム」に変える!
- 「いただきます」レース
「ママとどっちが早く一口食べられるかな?」と、競争形式にしてみましょう。
楽しく食事に取り組むことができます。 - 一口サイズの冒険
「この一口を食べたら、次はどんなおいしいものが待ってるかな?」と、スプーンやフォークの先に隠された食材を当てるゲームも盛り上がります。 - 食券を発行する
これは「てぃ先生」がSNSで投稿していました。
食券を配布して、食券を母親に渡したら食事が出てくる!まるでママごとのようで楽しい食事になることも間違いなし!!
「お客様お味はどうでしょうか?」「こちらのサラダは、当店自慢のドレッシングがかかっております。お味のご感想を頂けたら幸いです」など声かけすることで盛り上がることでしょう。
3. 「一緒に作る」体験で、食事への関心を高める
- ミニシェフ体験:
おにぎりを一緒に握ったり、野菜をちぎってもらったり、簡単な調理を子どもに手伝ってもらいましょう。
自分で作ったご飯は、より一層美味しく感じられるはずです。 - 食卓の飾り付け
ランチョンマットを敷いたり、お花を飾ったり、食事の準備を一緒に行うことで、食事が始まる前からワクワク感を高めることができます。
これらのアイデアは、特別なスキルや時間を必要としません。毎日の食事に少しずつ取り入れることで、食卓が笑顔であふれる場所へと変わっていくはずです
まとめ『完璧を目指さなくて大丈夫』
子どもの食事の悩みは、一朝一夕には解決しないかもしれません。
でも、完璧を目指す必要はありません。
まずは、今日から一つだけ、できることから試してみてください。
私の実体験のように、低月齢の頃からのポジティブな習慣づけが、その後の食事習慣に大きな影響を与えることもありますので、ぜひ参考にされてみてください。
離席しても、叱らず「食事の時間は楽しい」のイメージがつくよう工夫することから始めてみましょう。
食事の時間が、親子の笑顔あふれる時間になるよう、応援しています