赤ちゃんのかわいい寝顔を見ていると、本当に幸せな気持ちになりますよね。
でも、夜中に何度も起きて泣いたり、なかなか寝付いてくれなかったりすると、ママもパパも慢性的な寝不足で心身ともに疲れてしまいます…。
特に初めての育児の場合、赤ちゃんの睡眠リズムが分からず、不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、多くのパパママを悩ませる赤ちゃんの睡眠トラブル、特に夜泣きと寝ぐずりに焦点を当て、その原因を月齢別に詳しく解説し、具体的な対策、そしてママも一緒にぐっすり眠れる方法を徹底的にご紹介します。
目次
大人の睡眠とどう違う?赤ちゃんの睡眠の特徴を知ろう
大人の睡眠と赤ちゃんの睡眠は、全く異なることをご存知でしょうか?
大人の睡眠は、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」が約90分周期で交互に繰り返されます。
しかし、赤ちゃんの睡眠は、レム睡眠の割合が約50%と非常に高く、眠りが浅いのが大きな特徴です。
レム睡眠は、脳が活発に活動している状態なので、ちょっとした物音や刺激で目を覚ましてしまうのです。
また、赤ちゃんの睡眠リズムは、生まれてから徐々に形成されていきます。
お腹の中にいる時は、ママの体内時計に合わせて生活していましたが、生まれてからは自分の体内時計を確立していく必要があります。
生後数ヶ月までは、昼夜のリズムが未発達で、昼夜問わず短いサイクル(2〜3時間)で眠ったり起きたりを繰り返します。
そのため、夜中に何度も起きてしまうのは、自然なことなのです。
月齢別に見る!
代表的な睡眠トラブル(夜泣きと寝ぐずり)
赤ちゃんの睡眠トラブルでよく聞かれるのが、「夜泣き」と「寝ぐずり」です。
月齢によって原因や対応が異なるため、分けて解説します。
新生児期(生後0〜1ヶ月)
・主な原因: お腹が空いている、おむつが濡れている、暑い・寒い、環境の変化への不安
・よくある行動: 頻繁に目を覚ます、泣く、手足をバタバタさせる
・対応: 授乳やおむつ交換で対応。室温や湿度を適切に保ち、静かな環境を作る。優しく抱っこしたり、子守唄を歌ったりして安心させる。
乳児期(生後1〜12ヶ月)
・主な原因: 眠りが浅い、昼夜のリズムの未発達、生活リズムの乱れ、発達に伴う不安や興奮、歯の生え始めの不快感
・よくある行動: 夜中に何度も起きて泣く(夜泣き)、寝る前にぐずる(寝ぐずり)、背中スイッチ(抱っこで寝たのに、布団に置くと起きてしまう)
・対応: 規則正しい生活リズムを意識し、日中はしっかりと遊ばせる。寝る前のルーティン(絵本を読む、子守唄を歌うなど)を作る。ねんねトレーニングを検討する。
幼児期(1歳〜3歳)
・主な原因: 怖い夢を見る、暗いのが怖い、分離不安、昼間の出来事が影響している
・よくある行動: 夜中に起きて泣き叫ぶ、親を求める、寝室を怖がる
・対応: 寝る前に怖い話やテレビ番組を見せない。寝室を少し明るくする。寝る前にスキンシップを取ったり、安心できる言葉をかけたりする。
睡眠トラブル解消のための具体的な対策徹底解説
原因が分かれば、適切な対策を立てやすくなります。以下に、具体的な対策を徹底解説します。
睡眠環境の整備(五感を満たす快適な空間を作る)
・室温・湿度: 室温は20〜22℃、湿度は50〜60%を目安に、快適な温度と湿度を保ちましょう。
加湿器や除湿器、エアコンなどを活用しましょう。
・明るさ: 部屋は暗くし、静かな環境を整えましょう。
遮光カーテンや静音性の高いエアコンなどが役立ちます。
豆電球も消した方が、より深い睡眠につながります。
・寝具: 赤ちゃんの寝具は、通気性の良いものを選びましょう。
掛け布団は軽くて暖かいものを選び、窒息の危険がないように、顔にかからないように注意しましょう。
・音: 静かな環境が理想ですが、生活音などが気になる場合は、ホワイトノイズ(テレビの砂嵐のような音や、雨音、波の音など)を流すのも効果的です。
生活リズムの整え方(体内時計を意識した生活を送る)
・起床・就寝時間: 毎日同じ時間に寝起きし、昼寝の時間も一定にすることで、赤ちゃんの体内時計を整えます。休日もできるだけ同じ時間に起こすように心がけましょう。
・日中の過ごし方: 日中はできるだけ日光を浴びさせ、外で遊ばせるなど、体を動かす時間を作りましょう。夜は暗くすることで、昼夜の区別をつけやすくします。
・寝る前のルーティン: 寝る前は、激しい遊びやテレビ、スマホなどの刺激を避け、リラックスできる時間を作りましょう。絵本を読んだり、子守唄を歌ったり、マッサージをしたりするのも効果的です。毎日同じルーティンを行うことで、赤ちゃんは「寝る時間だ」と認識しやすくなります。
ねんねトレーニング(赤ちゃんが自分で眠る力を育む)
ねんねトレーニングとは、赤ちゃんが一人で眠る力を育むための方法です。
様々な方法がありますが、赤ちゃんの性格や発達段階に合わせて、無理のない方法を選ぶことが大切です。
専門家(保育士、助産師など)に相談しながら進めるのも良いでしょう。
添い寝から徐々に離れる方法
最初は添い寝をして、赤ちゃんが眠りにつく直前に離れるようにします。徐々に離れる時間を長くしていくことで、赤ちゃんは一人で眠ることに慣れていきます。
背中トントン法
赤ちゃんを寝かせた後、背中を優しくトントンと叩いて落ち着かせます。
ネガティブ・タイムアウト法(ファーバー法)
赤ちゃんが泣き始めたら、一旦部屋を出て、数分後に戻ります。
泣き止んでいなくても、優しく声をかけたり、背中をさすったりして安心させます。
これを繰り返すことで、赤ちゃんは一人で落ちつかせる方法です。
ただし、この方法は赤ちゃんによっては不安を強く感じてしまう場合もあるため、慎重に行う必要があります。
おくるみ(赤ちゃんを安心させる魔法のアイテム)
おくるみで赤ちゃんを包むと、お母さんのお腹の中にいた時のような安心感を与え、モロー反射(急に手足をビクッとさせる反射)を防ぎ、眠りやすくなると言われています。
ただし、おくるみは正しく使用しないと、股関節脱臼などの原因になる可能性があるので、説明書をよく読んで正しく使用しましょう。
また、首が据わってきたら、おくるみの使用はやめましょう。
ママもぐっすり眠るために(睡眠不足解消のヒント)
赤ちゃんの睡眠トラブルは、ママの睡眠不足に直結します。
ママも一緒にぐっすり眠るためには、以下のことを意識しましょう。
赤ちゃんが寝ている間に一緒に寝る(家事は後回しに)
・家事などやりたいことはたくさんあるかもしれませんが、赤ちゃんが寝ている間に一緒に寝るのが一番です。睡眠不足が続くと、心身ともに不調をきたしやすくなります。
パートナーや家族の協力を得る(積極的に頼ってみよう)
・夜間の授乳やオムツ替えなどをパートナーや家族と分担してもらうことで、ママの負担を軽減できます。遠慮せずに、積極的に頼ってみましょう。
昼間にリフレッシュする時間を作る(短時間でも効果あり)
・短時間でも良いので、自分のための時間を作り、心身ともにリフレッシュしましょう。
カフェでコーヒーを飲んだり、好きな音楽を聴いたり、短い散歩に出かけたりするだけでも気分転換になります。
睡眠環境を整える(自分自身も快適に眠れるように)
赤ちゃんだけでなく、ママの寝室環境も整えることが大切です。
快適な寝具を選び、部屋を暗くして、リラックスできる環境を作りましょう。
焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて
赤ちゃんの睡眠トラブルは、成長の過程で誰にでも起こりうるものです。
焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて、色々な方法を試してみてください。
もし、心配なことや困ったことがあれば、かかりつけの医師や助産師、地域の保健師などに相談してみましょう。
専門家のアドバイスを受けることで、より具体的な解決策が見つかるかもしれません。
知っておくと安心!よくある質問Q&A
最後に、赤ちゃんの睡眠について、パパママからよく寄せられる質問にお答えします。
Q:赤ちゃんはどれくらい寝るのが普通ですか?
A: 赤ちゃんの睡眠時間は、月齢によって大きく異なります。
新生児期は1日に16〜20時間、乳児期は12〜15時間、幼児期は10〜13時間程度が目安です。
ただし、個人差が大きいため、あくまで目安として捉え、赤ちゃんの様子に合わせてあげましょう。
Q:添い寝は良くないですか?
A: 添い寝には、赤ちゃんが安心する、夜間の授乳が楽になるなどのメリットがあります。
しかし、窒息の危険性もあるため、注意が必要です。
安全に添い寝をするためには、大人の布団ではなく、ベビーベッドを隣に設置する、大人の布団は硬めのものを使用する、赤ちゃんをうつ伏せにしないなどの注意点しましょう。
Q:夜中に泣いたらすぐに抱き上げた方が良いですか?
A: 夜中に泣いたからといって、すぐに抱き上げる必要はありません。
少し様子を見て、泣き止むようならそのまま見守りましょう。
もし、泣き止まない場合は、おむつが濡れていないか、お腹が空いていないかなどを確認し、必要に応じて対応しましょう。
Q:昼寝は何時間くらいさせるのが良いですか?
A: 昼寝の時間も、月齢によって異なります。
新生児期はこまめに短い時間寝ることが多いですが、成長するにつれて、まとまった時間寝るようになります。
昼寝の時間が長すぎると、夜の睡眠に影響が出る可能性があるので、午後の遅い時間からの昼寝は避けるようにしましょう。
ママとパパへ〜頑張りすぎないで!
赤ちゃんの睡眠トラブルは、多くのパパママが経験する、ごく一般的なことです。
育児書やインターネットの情報に振り回されず、焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて、色々な方法を試してみてください。
そして、何よりも大切なのは、ママとパパ自身が心身ともに健康であることです。
睡眠不足が続くと、育児にも影響が出てしまいます。
パートナーや家族と協力し、地域の支援サービスなども活用しながら、無理のない育児を心がけましょう。
この情報が、少しでも多くのパパママの役に立ち、赤ちゃんと一緒に穏やかな夜を過ごせるようになることを心から願っています。