「頑張れ」なんて、もう聞きたくない。
そう感じているママは、きっと少なくないはずです。その言葉を耳にするたび、心がきゅっと締め付けられたり、かえって自分を責めてしまったりするかもしれませんね。
私は元保育士として、長年子育ての現場をずっと見てきました。毎日たくさんの子どもたちや保護者と関わる中で、「子育てを支えること」がどれほど大切かを実感してきたつもりでした。
でも、実際に妻が専業主婦となり、父親として家庭に関わるようになったとき、初めて知ったんです。
「育児の本当の孤独」と、「誰にも言えない苦しみ」を。
夜中、何をしても泣き止まない我が子を抱え、横で私が眠っている中、妻は「このまま朝が来なければいいのに」と心から思ったと聞きました。そして、朝が来ればまた家事や育児が始まるという絶望感。それは、妻からの明らかなSOSのサインでした。その日を境に、私はできる限り率先して妻のサポートを心がけるようになったんです。
目次
世間の「当たり前」が覆い隠す、育児の過酷な現実
残念ながら、多くのご家庭や世間、そして旦那様からも、専業主婦であること、そして家事や育児を担うことは「当たり前」と思われがちです。しかし、そこに育児が加わると、それは全くの別世界になります。
ある人は、社会とのつながりを失い、自分の価値が分からなくなる。鏡を見るのも辛そうだったあの妻の姿は、今でも私の脳裏に焼き付いています。
「私だけが、こんなに辛いのかな…」 「ママ失格かもしれない…」
もし、そんなふうに感じているあなたがいたら、どうか思い出してください。
あなたは、一人じゃない。
私の妻も、そして日本の、いや世界中の多くのママたちも、あなたと同じように悩み、苦しんできました。
元保育士としての経験、そして何より妻を一番近くで支えた立場から、私が心から伝えたいことがあります。このブログが、まるで出口の見えない暗いトンネルの中にいるように感じているあなたの、小さな光になりますように。
誰も教えてくれなかった「専業主婦の育児」のリアル
『あなたが感じている「辛さ」の正体』
毎日がんばっているのに、なぜこんなに辛いんだろう？ その「辛さ」の正体は、実はこんなところにあるのかもしれません。
1. 終わりなき孤独感と外界との断絶
毎日毎日、同じルーティンの繰り返し。話し相手は、まだ言葉を話せない赤ちゃんと、仕事から帰ってくる旦那さんだけ。ある日、妻がぽつりと言いました。
「今日、大人とちゃんと話したのはスーパーのレジの人だけだった。」
その言葉に、私は言葉を失いました。
私自身は、職場で同僚との会話を楽しんだり、保護者とのちょっとした雑談で気分転換をしたりと、自然と心が癒されていました。
でも、妻は家庭という閉じた空間の中では、意識して外に出たり、誰かに連絡を取ったりしない限り、大人とゆっくり話す機会さえありません。この閉鎖された空間での孤独は、想像以上に心を蝕み、精神的な疲弊を加速させていくのです。
2. 「ちゃんとしなきゃ」の呪縛と理想とのギャップ
「手作り離乳食を作らなきゃ」「部屋は常にきれいに片付けておかなきゃ」「いつも笑顔で優しいママでいなきゃ」
そう思っていた妻は、SNSで見る「キラキラした完璧なママたち」と自分を比べては、深く自分を責めていました。
その姿を見るのが、私にとっても本当に辛かった。
理想と現実のギャップがあまりにも大きく、妻の心が押し潰されそうになっているのが痛いほど分かりました。まるで、自分自身に課した見えない鎖に縛られているかのようでした。
3. 社会からの孤立と自己価値の揺らぎ
妻は「これまで社会で頑張ってきたのに、今は何の役にも立っていない気がする」とこぼしました。
仕事を通して培ってきた知識やスキル、社会人としての役割が、子育て中心の生活の中で薄れていく感覚。
社会との接点が減ることで、「このまま何者でもなくなってしまうかも」という強い不安が、常に心の奥にあったようです。
自分の存在価値を見失いかけるような、根深い恐怖だったのかもしれません。
4. 夫に理解してもらえない悲しみと無力感
私が仕事から疲れて「疲れた」と言うたびに、妻はついイライラしてしまったと言います。それは、「私の頑張りは、誰にも分かってもらえない」「家にいるだけで楽だと思われている」という、内に秘めた悲鳴でした。
それでも、疲弊しきった体と心では、言い返す元気さえ残っていなかった。
そばにいた私でさえ、当時の妻の苦しみの全てを分かっていたわけではなかったと、今では深く反省しています。
5. 慢性的な睡眠不足と果てしない疲労
細切れの睡眠で、毎日毎日フラフラ。眠っても眠っても疲れが取れない日々は、思考能力を低下させ、気力までも奪っていきます。
ある朝、妻は無意識に子どものおもちゃをゴミ箱に入れそうになっていました。
その瞬間、「もう限界かもしれない」と心底感じたそうです。肉体的な疲労は、精神的な余裕をあっという間に奪い去ってしまうのです。
心が折れそうな時に試してほしい
『元保育士が伝える「再生」へのヒント』
もし今、あなたが少しでも心が折れそうだと感じているなら、どうか、これからお伝えするヒントを試してみてください。ほんの小さな一歩が、きっとあなたの心に光を灯してくれるはずです。
1. 「完璧じゃなくていい」と自分を許す勇気を持つこと
ある日、妻は子どもに強くあたってしまい、涙ながらに私に「ごめん、完璧じゃなくていい？」と相談してきました。
その言葉を境に、彼女は少しずつ変化し始めました。
手作り離乳食にこだわらず冷凍食品に頼ったり、散らかった部屋でも以前ほど気にしないようになったり・・・完璧であろうとする重圧を手放し、自分を許すことで、心がふっと軽くなったそうです。
🔹ヒント：
- イライラする、眠れない、食欲がない…それは**「頑張りすぎ」の明確なサイン**かもしれません。自分に厳しすぎるのはもうやめにしましょう。
- 「これだけはやる」という最低ラインを決め、あとはサボっても大丈夫だと自分に許可を与えてください。無理にすべてをこなそうとしないことが、心の余裕を生みます。
2. 小さなSOSを出す練習：頼ることの重要性
辛くてどうしようもなかった時、妻は地域の保健師さんに電話をかけました。
たった数分の会話でしたが、驚くほど気持ちが軽くなったそうです。誰かに話を聞いてもらうだけで、心の重荷が少しでも下ろせることを実感したと言っていました。
🔹ヒント：
- 誰に頼る？ 夫、実家、親しい友人、地域の保健師さん、子育て支援センター、SNSのコミュニティなど、頼れる人は意外と多くいます。一人で抱え込まず、少し勇気を出してみましょう。
- なんて伝える？ 「少しだけ話を聞いてほしい」「なんだか最近、気持ちが沈んでしまって」といったシンプルな言葉でも、あなたの辛さは十分に伝わります。具体的な解決策を求めなくても、ただ話すだけでいいんです。
3. 「自分に戻れる時間」を大切に〜心のエネルギーチャージ〜
子どもが昼寝したたった30分間でも、妻はゆっくりとコーヒーを飲みながらNetflixを見ただけで、「気持ちが楽になった！」と言っていました。
子育ての合間のほんの短い時間でも、自分だけの時間を持つことが、どれほど大切かを痛感しました。
🔹ヒント：
- 5分でもOK！ 好きなことをするだけで、心のエネルギーは確実に回復します。完璧に自由な時間がなくても、短い時間でできることを見つけてみましょう。
- ゆっくりコーヒーを飲む、好きな音楽を聴く、数ページだけでも本を読む、窓の外を眺める。そんな些細なことでも、気分転換になります。
- 空いた時間を家事ではなく、意識的に**自分のための時間として使うこと。**これは、あなたの心の健康を守るために非常に重要な投資です。
4. プロの視点〜ママの笑顔こそが最高の栄養〜
保育園で私たちが最も大切にしていたのは、子どもたちが安心して、心から笑って過ごせる環境を作ることです。それは家庭でも全く同じ。
子どもにとって本当に大事なのは、完璧に手が行き届いた育児環境よりも、ママの笑顔です。ママが笑顔でいることが、子どもにとっては何よりも大きな安心と喜びになるのです。
🔹ヒント：
- 子どもをありのまま受け入れるように、自分自身も責めないでください。完璧主義を手放し、ありのままの自分を受け入れることが、ママの笑顔につながります。
- ママの笑顔こそが、子どもにとっての一番の栄養になります。あなたが心穏やかに笑っている姿こそが、子どもが健やかに育つ上で最も大切な要素なのです。
夫婦関係を見直すヒント『小さな変化が大きな感謝に』
「手伝うよ」と私が言っても、妻は「大丈夫」と断りがちでした。でも、妻が具体的なタスクリストを作ってくれたことで、私は何をすればいいか明確になり、やっと動きやすくなりました。
🔹ヒント：
- 明確に伝える： 「お風呂上がりの着替えをお願い」「夕食の準備中に子どもを見ていてほしい」など、具体的に手伝ってほしいことを伝えましょう。曖昧な表現では伝わりにくいことがあります。
- 手伝ってもらったら「ありがとう」を： どんなに小さなことでも、手伝ってもらったら心からの「ありがとう」を伝えましょう。この小さな感謝の言葉が、相手のモチベーションを高め、夫婦関係をより良い方向へと変える大きな力になります。
最後に：あなたの『今』を、私は全力で肯定したい
今、辛いと感じているあなたへ。
それは決して甘えでも、あなたの弱さでもありません。
むしろ、それだけあなたが毎日頑張り、真剣に子育てに向き合っている証拠です。
完璧じゃなくていい。あなたは、今のままで十分に素晴らしいんです。
この育児の時間は、確かに大変で、時に心が折れそうになるほど苦しいものかもしれません。しかし、同時に、二度と戻らないかけがえのない時間でもあります。
まとめ『小さな一歩から、始めてみませんか？』
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
もし「私だけじゃないんだ」と少しでも感じられたなら、それがあなたにとっての最初の一歩です。無理に大きく変わろうとする必要はありません。
まずは、あなた自身の心に、優しく温かい光を灯すことから始めてみてください。
今日一日、ほんの少しでも心が楽になる選択をしてみる。その積み重ねが、やがて大きな変化につながるはずです。
パパへ・・・もしパパがこのブログを読んでいたら、全力でママのサポートをしてあげて下さい。専業主婦、ワンオペママ、共働き関係なく子育ては、パートナーと育児するものです。
私もできる限り育児参加をしていましたが、もっとできる事があったのではないかと反省しています。できる事からで構わないので、サポートをお願いします。
もしよければ、あなたの思いや感じたことを、この記事のコメント欄で教えてくださいね。このブログが、あなたの心の避難所になることを心から願っています。
