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その“困った行動”、実は成長のサインかも?
男の子の子育てって、本当にエネルギーが要りますよね。
「少しでいいからじっとしててほしい…」
「また走り出した!また注意された!」
「なぜうちの子だけ落ち着きがないの?」
そんなふうに感じたこと、きっと一度や二度ではないはず。
実際、私が保育士として現場でたくさんの親御さんとお話をしてきた中でも、「男の子って大変!」という声は圧倒的に多かったです。
でもね、それは決して“悪いこと”ではないんです。
むしろ、その行動には「男の子ならではの特性」や「今しかない成長の芽」が隠されていることがとても多いんです。
このブログでは、そんな男の子の特徴をふまえながら、
・なぜ集中できないのか?
・どうすれば落ち着けるのか?
・家庭でできる関わり方とは?
…といったお悩みに、元保育士の目線からやさしく・具体的にお応えしていきます。
1. 男の子の“集中できない”は本当に困ったこと?
▶ 男の子は「今この瞬間」を好む
男の子って、「未来」や「目的」よりも、「今、これをしたい!」がとにかく強いんです。
たとえば――
✅ 教科書を広げたのに、机の上の消しゴムを転がし始める
✅ 出かける直前なのに、「これ作りたい!」とブロックを始める
✅ 注意しても、なぜかニヤッと笑って逃げる
これらすべて、「今したいことが我慢できない」=前頭葉(思考や制御の脳部分)の発達途中にある証拠。
つまり、悪気があってやっているわけではなく、脳の発達がそうさせているだけなんです。
▶ 女の子と比べて落ち着きがない…本当に?
女の子は比較的、言葉でのやりとりや状況把握が早い傾向にあります。
一方、男の子は「身体で感じる」「動いて理解する」といった特性が強いです。
保育現場でも――
✅ 女の子はすぐ座って話を聞くのに、男の子は友達とふざけだす
✅ 工作中、女の子は説明を聞いてから作るのに、男の子は先に材料を触って壊しちゃう
なんてことは日常茶飯事でした。
でも不思議なことに、そういう男の子たちがいざ自分の「好き!」に出会うと驚くほどの集中力を発揮するんです。
2. 「動き」が学びにつながる!男の子の発達に合った関わり方
▶ 体を動かすこと=脳を育てること
じっと座らせるよりも、まずは思いっきり体を動かすことが集中力UPの第一歩。
外遊びや運動は、
✅ 全身を使うことで脳に刺激が行き渡る
✅ 注意力や空間認知力が育つ
✅ ストレス発散にもなる
という、とっても大事な「学びの時間」なんです。
特に朝の運動習慣は効果大!
保育園でも、「登園後すぐに外遊びを取り入れたクラスの子たち」の方が、その後の活動に落ち着いて取り組めることが多いんですよ。
▶ 家の中でもできる“ちょこっと運動”
雨の日や時間がないときは、
・クッションジャンプ(ソファからお布団へ)
・風船バレー
・腕相撲やおしくらまんじゅうごっこ
こういったちょっとした運動でもOK。
「体を使う=落ち着く前の準備」と考えて、動いてから学習・会話につなげるとスムーズです。
3. 「好きなこと」こそ最大の武器!
▶ 「興味スイッチ」が入ると、驚くほど集中する
「虫のことなら何時間でも話せる」
「電車の図鑑は熟読している」
「ゲームの操作だけはマスターしてる」
そんなお子さん、いませんか?
それこそが、男の子の集中力の“本来の力”なんです。
▶ 好きをきっかけに学びに変える例
🟡 電車が好き → 地図を読む、駅名を覚える、時刻表で算数遊び
🟡 恐竜が好き → カタカナに親しむ、進化の歴史に触れる
🟡 ゲームが好き → プログラミングの導入、ルール理解、戦略思考
「そればっかりやって困る」じゃなく、「どう広げるか?」が大事です。
4. 声かけひとつでやる気が変わる!男の子の褒め方・伝え方
▶ 結果ではなく「過程」を見てあげる
×「すごいね!100点だね!」
○「コツコツ勉強した成果だね!」
○「集中して最後までやりきったね!」
小さなことでも、努力や工夫に光を当てることで自信が育ちます。
▶ 注意の仕方も“伝え方”次第で響く!
🟥 NG:「なんでまたやったの?」「だから言ったでしょ!」
🟢 OK:「どうしてそうしたかったの?」「次はどうすればよかったと思う?」
「感情をぶつける」のではなく、「一緒に考える」姿勢が男の子には響きます。
5. 集中力を育てる家庭環境のポイント3つ

①「見える・選べる」環境づくり
男の子は視覚情報に強いので、
・おもちゃや教材を整理して“選びやすく”
・使うものだけをテーブルに置く
・タイマーで時間を見える化
といった工夫だけで集中力がぐっと上がります。
②「やる時間」と「動く時間」をセットにする
勉強 → 5分体操 → 読書 → ブロック遊び → おやつ
のように、動と静を交互に組み込むリズムをつくると疲れにくく、集中が続きやすくなります。
③ ルールは“短く・具体的に”
「ちゃんとしなさい」「いい子にしなさい」では伝わりません。
✅「食べ終わったらお皿を流しに」
✅「宿題の前に1つだけ遊んでもOK」
のように、シンプルで明確なルールを決めましょう。
おわりに〜ママの見方が変われば、子どもは伸びる!〜
男の子の子育てって、本当にパワーがいります。
でも、「なぜそうなるのか」「どう関わればいいのか」がわかると、日々のイライラや不安が、ちょっとずつ和らいでいくんです。
子どもは、“今”を全力で生きているだけ。
その姿をまるごと受け止めて、「この子らしさ」を育てることが、ママにとっても一番ラクで幸せな方法です。
大丈夫。ママの笑顔が、子どもにとっていちばんの安心です。
今日も少しだけ、肩の力を抜いていきましょう。